看護師で働いていると、
急な入院や手術になった時に入院費を聞いてこられる患者さんが結構います。
お金が心配なあまりに必要な治療を安心して受けられないのはしんどいですよね。
それから、『高額医療費』という言葉は知っているけど、実際どのくらいのお金が戻ってくるのかなど、高額医療費制度の詳しい内容はわかっていない方がほとんどです。
そこで今回は
- 高額医療費制度と、その計算方法
- 限度額適用認定証について
- 医療費が払えない場合の公的制度の利用方法
この辺についてお伝えしていきたいと思います。
まずは公的医療保険について
日本人ならよっぽどの事情がない限り保険証は持っていますよね?
その保険証を持っていることで、本来高額な医療費の支払いが少なく済んでいます。
種類は人によって違います。表にまとめますね。
種類 | 加入している人 |
---|---|
健康保険(全国健康保険協会など) | 会社員など |
共済組合 | 公務員、教職員 |
船員組合 | 舟員 |
国民健康保険(国保) | 自営業の人など。上記以外 |
その他:後期高齢者医療制度があり、75歳以上と、65〜74歳で一定の障害がある人が加入する公的医療保険もあります。
年齢によって自己負担の額は違ってきますが、5〜69歳までの健康な方は3割負担です。
本題・高額医療費制度について!
知識がなかった昔の私の『高額医療費』の認識としては
くらいでしたw
医療費の家計負担が重くならないよう、医療機関や窓口で支払う医療費が1ヶ月(暦月:1日から末日まで)で上限を超えた場合、その超えた額を支給する
引用:厚生労働省ホームページより
上限額は年齢と所得によって決められていて、計算方法があるんですよ。
表を作りました⬇︎
適用区分の目安 | ひと月の上限額(世帯ごと) |
年収約1,160万円 | 252,600円+(医療費-842,000)×1% |
年収約770〜1,160万円 | 167,400円+(医療費-558,000)×1% |
年収約370〜770万円 | 80,100円+(医療費-267,000)×1% |
〜年収約370万円 | 57,600円 |
住民税非課税の人 | 35,400円 |
⬆︎これは69歳以下の人の上限額が載った表です。
70歳以上の方はまた別になります。
知りたい方は以下の記事をご覧くださいね⬇︎
【高齢者の医療費】負担限度額はいくら?制度を簡単に説明します
例題を出して実際に計算してみましょう〜
では計算していきましょう
上の表をもとに計算すると
80100円+(800000円ー267000円)×1%=85430円
85430円がAさんの医療費の上限額。自己負担の金額になります。
ここから窓口で支払った240000円ー85430円で、154570円があとで戻ってくる、ということになります!
限度額適用認定証って何?
高額医療費制度とセットで出てくるワードが『限度額適用認定証』です。
違いはなんでしょうか?
こんな人は、限度額適用認定証を病院等の窓口に提示することで支払額が上限額のみで済むので利用した方がいいでしょう。
「医療費が高額になりそうかも!」と思った時は限度額認定適用証を使いましょう!
限度額適用認定証を使った場合は、高額医療費の申請はしないので注意です!
どこでもらえるの?
限度額適用認定証は、自分が加入している公的医療保険からもらえます。
国保なら市役所や区役所など、健康保険なら勤務先の社会保険等の担当者に問い合わせてみましょう。
医療費が払えない場合の公的制度の利用
高額医療費貸付制度
先ほども述べたように高額医療制度を利用した場合は、お金が戻ってくるまでに時間がかかります。
そこで高額医療費が支給されるまでの間、無利子で貸付けをしてくれる制度です。
利用したい時は加入している公的医療保険の窓口へ問い合わせてみましょう!
傷病手当金
傷病手当金も場合によっては利用できるでしょう。(国保は傷病手当金の制度はない)
- 病気や怪我が業務中でない場合(通勤中も入る)
- 怪我、病気で仕事が出来ない
- 連続3日間、4日以上仕事を休んだ
- 休んでいる間、給料がない
上記4つに当てはまる場合は勤務先の社会保険の担当者に問い合わせてみましょう。
2020年3月〜
国保に加入している方で、新型コロナウイルスに感染、または感染疑いのある被用者に傷病手当金が支給されることになったようです。
(適用期間はお住まいの地域のホームページを見てみてください)
国保に加入している方はぜひ知っておきたい情報ですね。
まとめ
いかがでしたか〜?
知られているようで意外と知らない高額医療費制度や限度額適用認定証。
覚えておくといざって時に慌てなくて済みますよ!
医療費の支払いがどうしても出来ないなど、困ったことがあったらかかっている病院に相談してみましょう。病院には大体相談員がいるので相談にのってくれるはずです。
では今回はこれでおしまいです。